調停離婚と浮気調査報告書

夫婦が離婚する場合、調停離婚の形をとることも多いです。特に、協議による話合いでは、相手が離婚に応じてくれないケースや、相手が浮気しているにもかかわらず、しらを切って慰謝料を支払ってくれないケースなどでは、調停をしないと離婚をすすめることが難しくなります。
調停で、相手に浮気の慰謝料を請求する際にも、探偵社・興信所の調査報告書は非常に役に立ちます。そこで今回は、調停離婚と調査報告書の重要性についてご説明します。

調停離婚とは、家庭裁判所の調停手続きを利用して、夫婦が離婚の話合いをすすめて合意によって離婚する方法です。
夫婦が離婚する場合、日本では協議離婚による方法が一般的ですが、協議による話合いをしてもお互いに離婚することや離婚条件について合意ができないケースがあります。
たとえば、相手が不倫をしているので慰謝料請求をしても、支払に応じてくれなかったりしらを切られたりするケースもあります。
このような場合、話合いを続けていても解決はできないので、離婚調停をする必要があります。
家庭裁判所で話合いをするとき、裁判所の調停委員が話し合いの仲立ちをしてくれます。調停委員は男女1名ずつの合計2名であり、夫婦の双方から互いに意見を聞き、相手に伝えてくれます。
このように、調停では、調停委員が間に入ってくれるので、相手と直接顔を合わせて話合いをする必要がなく、お互いが比較的冷静になって話を進めることができます。

相手の浮気（不倫）が原因で離婚をする場合には、離婚調停の席でも慰謝料を請求することができます。こちらが相手に慰謝料請求をするなら、調停委員がそのことを相手に伝えてくれます。
ただ、この場合も協議離婚のケースと同様、不貞行為（浮気）の証拠がないと相手は慰謝料支払いに応じないことが普通です。相手が断ってきたら、調停委員も、「証拠がないことは認められにくい」と言ってきます。
こうなると、いくらこちらが「夫は不倫している」と言っても、それを前提に話を進めてくれることはありません。不倫している事実は認められず、慰謝料支払いは受けられないままに離婚話が終わってしまいます。この場合、当然浮気相手に対しても慰謝料請求をすることもできません。
結局、こちらが泣き寝入りをするしかなくなります。

そこで有効となるのが探偵社による浮気調査の報告書です。
離婚調停に臨むとき、もし手元に有効な調査報告書があれば、相手も不貞を認めざるを得ませんし、調停委員としても、相手の不貞を前提に話を進めてくれます。
証拠があると、調停が不成立になって裁判になったときに、裁判所で慰謝料の支払い命令が出てしまうことが予想されるので、相手はある程度折れてこちらの条件を受け入れざるを得なくなるのです。
すると、今までは頑なに慰謝料支払いを拒絶していた相手であっても、ある程度の支払に応じると言い出す可能性があります。 このように、調査報告書があると、離婚調停でも有利に進めて、相手から高額な支払いを受けやすくなります。調査報告書があれば、浮気相手に対しても慰謝料請求ができます。

このように、調査報告書は離婚調停を有利に進めるために大変有効ですが、相手に見せてしまって良いかという問題は別途検討しなければなりません。
たとえ証拠があると言っても、相手が頑なに不貞を否定していて裁判もやむを得ないというケースでは、調査報告書を見せても調停では慰謝料を支払ってもらえない可能性が高いです。
それにもかかわらず調査報告書を開示してしまうと、相手にこちらの手の打ちを明かしてしまうことになって、訴訟の段階で不利になる可能性があります。その場合の対応方法は、弁護士などの専門家に相談してみた方が良いでしょう。

このように、調停の段階で、どこまで調査報告書を開示すべきかという問題はありますが、基本的に、調査報告書の存在は、離婚調停を有利に進めるために非常に重要です。
今、相手の不倫問題で悩んでいる方は、離婚に一歩踏み出す前に、まずは相手の調査をして不倫の証拠をつかんでおきましょう。

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